お腹を大きく切って手術をするのは可哀想...。
傷が小さく、痛みの少ない内視鏡手術をご存知ですか?
※ご注意
手術症例のページには、実際の手術の写真が掲載されています。
このような写真で気分が悪くなる方は、手術症例のページには進まないで下さい。
お腹を大きく切って手術をするのは可哀想...。
傷が小さく、痛みの少ない内視鏡手術をご存知ですか?
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手術症例のページには、実際の手術の写真が掲載されています。
このような写真で気分が悪くなる方は、手術症例のページには進まないで下さい。
この腹腔鏡下での避妊手術方法は、関西医科大学泌尿器科学教室、松田公志教授のご指導の下2003年より当センターで始まり、現在では年間200例以上の手術を行っています。
この手術方法は日本獣医内視鏡外科研究会が推奨する手術方法として全国に向けて紹介されています。
ひとつの傷が細小で2mmとなり、痛みが少なく、動物たちの身体への負担が少ない手術方法です。
熟練した術者が行えば、開腹手術よりも安全で確実な手術方法であると考えています。手術時間は、15分~25分(平均20分程度)です。
体重1kg前後の小さな犬や猫から50kg以上の大型犬まで、豊富な経験のもと安全な手術を提供しています。
傷の大きさ
※お腹の中にある精巣の大きさによって変わることがあります。
メリット
犬と猫の避妊手術は腹腔鏡手術で受けさせてあげて下さい。
この手術には、多くのメリットがあり、傷が小さいことから痛みが少なく、動物たちの身体に負担の少ない手術です。
1. 傷が小さいことから痛みが少なく、動物の回復が早い。
2. 手術時にお腹の中を鮮明な画像で見ながら手術ができる。
3. 止血の確認が確実に行えることから開腹手術より安全性が高い。
4. 大きくお腹を切らなければ出来なかった検査、手術を小さな傷で同時に行う
ことが出来る。
デメリット
1. 熟練した技術が必要となります。
症例
![]() 卵巣、子宮に関わる血管を観察している様子 |
![]() 卵巣の血管を超音波メスで切離している様子 |
![]() 子宮広間膜の処理を行っている様子 |
![]() 手術直後の傷の様子 |
![]() 7日後の抜糸の時の様子(乳頭と同じくらいの小さな傷です) |
![]() 小さな傷で手術ができて痛くなかったワン! |
犬や猫には、膀胱結石ができてしまうことが多くあります。
その結石を取り除く手術を腹腔鏡下で行うことによって、小さな傷でありながら膀胱の中を鮮明に観察しながら手術を行うことができ、膀胱粘膜を傷つけることがなく、膀胱や尿道の結石の取り残しの問題を極めて“0”に近づけることができます。
手術時間は、30分~40分です。
傷の大きさ
3~5mm、10mmの2つの小さな傷で行うことができます。
※結石の大きさによって変わることがあります。
メリット
1. 傷が小さいことから痛みが少なく、動物の回復が早い。
2. 小さな傷でありながら膀胱の中を鮮明に観察しながら手術を行うことができる。
デメリット
1. 熟練した技術が必要となります。
症例
![]() 膀胱内に多数の結石が認められた |
![]() 腹腔鏡下で結石を摘出している様子 |
![]() 小さな結石を吸引している様子 |
![]() 尿道内に認められた結石をも摘出 |
![]() 肥厚した粘膜の間隙に小さな結石が認められる |
![]() 膀胱粘膜の生検を行っている様子 |
動物たちが、食べ物ではない“異物“を食べてしまった場合、もどさせたり(吐かせる)、消化管内視鏡(胃カメラ)で口から異物を取り出す処置を試みます。
それでも取り出すことが出来ない場合、従来であれば開腹手術を行って胃を切開し異物を取り出すしか方法はありませんでした。
しかし、当センターでは、腹腔鏡下で胃の中で異物を処理し体外に取り出します。
何度も異物を食べてしまう動物が、何度もお腹を切らなくて済みます。
傷の大きさ
5mmの小さな傷が3つあれば手術を行うことができます。
メリット
1. 傷が小さいことから痛みが少なく、動物の回復が早い。
デメリット
1. 高度な技術が必要となります。
2. 麻酔時間が長くなる傾向にあります。
3. 胃固定器、バルーントロッカーなどの器具のコストが必要になります。
症例
![]() レントゲンに写る胃内胃物(胃全体に充満している) |
![]() 胃の5mmの傷をお腹の中で縫合している様子 |
![]() 無事1週間で抜糸が終わったところ |
![]() 胃の中で異物を細かく切っている様子 |
![]() 取り出された胃内異物 |
人の腹腔鏡下手術で最も多く行われている手術のひとつに腹腔鏡下胆嚢摘出術があります。
動物の胆嚢の病気は人ほど多くはありませんが、時に動物たちの命を奪うこともあります。
胆嚢は、肋骨の奥、お腹の背側に存在し、開腹手術では胆嚢を取り扱い難く非常に大きな切開が必要になります。
それに対して、腹腔鏡下手術は大きな切開は必要なく、小さな傷で手術を行うことができます。
傷の大きさ
3-5mm、3-5mm、5mm、3-5mmの4つ小さな傷で手術を行うことができます。
メリット
1. 傷が小さいことから痛みが少なく、動物の回復が早い。
2. 内視鏡による拡大された鮮明な画像を見ながら手術を行うことができる。
デメリット
1. 高度な技術が必要となります。
2. 手術時間が長くなる傾向にあります。
3. 総胆管の開通確認を行うカニューラのコストが必要となります。
症例
![]() 胆嚢管を剥離 |
![]() 胆嚢管を閉鎖 |
![]() 胆嚢管にクリップを掛ける |
![]() 胆嚢管を切離 |
![]() 胆嚢頚部より胆嚢を剥離 |
![]() 胆嚢漿膜を切離 |
![]() 胆嚢繊維層を剥離 |
![]() 胆嚢の剥離が終了 |
![]() 手術後の傷あと |
副腎腫瘍による副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)に対して、腹腔鏡下で摘出手術を行っています。
副腎は、お腹の背側にあり、もし開腹手術をするとすれば、お腹の上から下まで非常に大きくお腹を切らなければなりません。
この病気は副腎皮質ホルモンが多く分泌されていることから、免疫力が低下していて、大きな傷を加えることは望ましいことではありません。
腹腔鏡下で行うことによって小さな傷で手術を行うことができます。
傷の大きさ
3-5mm、3-5mm、10mm、3-5mmの小さな傷で手術を行うことができます。
メリット
1. 傷が小さいことから痛みが少なく、動物の回復が早い。
2. 内視鏡による拡大された鮮明な画像を見ながら手術を行うことができる。
デメリット
1. 高度な技術が必要となります。
2. 手術時間が長くなる傾向にあります。
3. 麻酔時間が長くなる傾向にあります。
症例
![]() 腫大した副腎を超音波検査にて確認 |
![]() CT検査にて血管浸潤の有無を確認 |
![]() 取り出された右の副腎 |
![]() 副腎周囲の脂肪の剥離を行っている様子 |
![]() 副腎を露出している様子 |
![]() 元腎を回収袋にて摘出している様子 |
胸部の手術を行うには、ろっ骨の間を大きく切開したり、胸の正面にある胸骨をのこぎりで切って手術を行わなければなりません。
そのことから、呼吸をするために必要な筋肉を大きく切断したり、痛みがとても強いことから動物の身体に与えるダメージはかなり大きく、手術後に呼吸する力が弱まることから感染症などの合併症が起こりやすくなるといわれています。
胸腔鏡で行う肺葉切除手術は、5~12mmの小さな傷を3~4箇所つけるだけで手術を行うことができ、術後の痛みや、動物たちに与える負担が少なくなり、手術後の回復が非常に早くなります。
症例
![]() 胸腔鏡下で肺葉を切除している様子 |
![]() 胸腔鏡下で肺葉を切除している様子 |
![]() 自動縫合器にて切除している様子 |
![]() 自動縫合器にて切除している様子 |
![]() 肺に認められた腫瘍 |
![]() 肺に認められた肺気腫 |
この手術は心臓と心臓を覆う心嚢膜の間に心嚢水という液体が溜まり、心臓の動きを悪くしてしまう恐ろしい病気に対して行うものです。
従来の開胸手術では、胸を大きく切開しなければ行うことができず、非常に大きな痛みや呼吸能力の低下をまねき、動物たちに与えるダメージは極めて大きなものでした。
しかし、胸腔鏡下手術によって小さな傷で最小限の負担で手術を行うことができます。
この手術は内視鏡手術のメリットが最大限に生かされるものです。
傷の大きさ
5mmの小さな傷が3~4つあれば手術を行うことができます。
メリット
1. 傷が小さいことから痛みが少なく、動物の回復が早い。
デメリット
1. 高度な技術が必要となります。
2. 手術時間が長くなる傾向にあります。
症例
![]() 心嚢水貯留により心陰影領域の拡大 |
![]() 4つの5mmの傷で手術を行っている様子 |
![]() 心嚢膜の切除を行っている様子 |
![]() 右心耳付近に認められた腫瘍病変 |
![]() 手術後の小さな傷跡 |
![]() 元気になって良かったね |
通常なら、生まれてまもなく2つの精巣はお腹の外に下りてきます。
しかし、未熟な犬や猫の場合、精巣がお腹の中に残ってしまうことがあり13倍の確立で悪性腫瘍になることが知られています。
この手術は腹腔鏡手術の中でも比較的容易に行うことができる手術です。
手術時間は、15分~20分です。
傷の大きさ(お腹の中にある精巣の大きさによって変わることがあります。)
3-5mm、5-10mmの2つの小さな傷で行うことができます。
メリット
1. 傷が小さいことから痛みが少なく、動物の回復が早い。
2. 傷を広げることなく、確実にお腹の中の精巣を見つけ出すことができます。
デメリット
1. 熟練した技術が必要となります。
症例
![]() 腹腔内に認められた精巣 |
![]() 精巣を腹腔鏡用鉗子で把持している様子 |
![]() 小さな傷から精巣を取り出した様子 |
当センターでは、肺腫瘍や肺膿瘍の切除手術に対して、胸腔鏡を用いて小さな傷で行っています。
従来であれば大きく胸を切開しなければならず痛みが大きく、手術後の回復には時間が掛ります。
胸腔鏡で行う手術は極めて痛みが少なく、負担が少ない手術となります。
傷の大きさ(取り出す腫瘍の大きさにより傷の大きさが変わります。)
5mmの傷が1~3箇所と切除した肺葉を取り出すための傷(2~3cm)で手術を行います。
メリット
1. 傷が小さいことから痛みが少なく、動物の回復が早い。
デメリット
1. 高度な技術が必要となります。
症例
![]() 肺葉の表面が変化している様子 |
![]() 自動縫合器で肺葉を切除した様子 |
![]() 小さな傷で手術ができて良かったね |
自分の血液を自分で壊してしまう病気、脾臓に腫瘍ができる病気と、いくつかの理由で脾臓の摘出手術を行わなければならないことがあります。
時に、動物の状態が非常に悪い中、大きくお腹を切って手術をした場合、手術後の回復があまり思わしくない場合も少なくありません。
また、早期にステロイドという免疫を低下させるお薬を投与したい場合、傷が大きいことによって、その開始が遅れてしまうこともあります。
そういった場合、小さな傷で行うことができる腹腔鏡下術を行うことによって、傷の治りも早く、手術後の治療をスムーズに運ぶこともできます。
傷の大きさ
3-5mm、3-5mm、5mm、3-5mm(脾臓を取り出す際に2-3cmになります)の4つ小さな傷で手術を行うことができます。
メリット
1. 傷が小さいことから痛みが少なく、動物の回復が早い。
デメリット
1. 高度な技術が必要となります。
2. 麻酔時間が長くなる傾向にあります。
症例
![]() 脾臓の血管を超音波メスで切離している様子 |
![]() 切離した脾臓をお腹の中で回収している様子 |
![]() 切除した脾臓を小さな傷から取り出すところ |
この病気は、本来であれば栄養を含んだ門脈という血管が肝臓に流れ込み、栄養や有害物質の代謝、肝臓自身へ栄養供給などが行われるべきところ、生まれもって肝臓を迂回した血管が存在することによって、それらの働きが損なわれてしまうものです。
その結果、肝不全を起こしてしまう恐ろしい病気なのです。
腹腔鏡下でその異常血管を結紮することによって、より小さな傷で手術を行うことができます。
ただし、この病気は非常に複雑であり、シャントのタイプによって開腹手術がよいのか、腹腔鏡手術が良いのか、その動物にとって最善の方法を決定して手術を行います。
傷の大きさ
3mmの小さな傷が4つ(腸循環による門脈造影を行う場合には3cmの小切開が必要)で手術を行います。
メリット
1. 傷が小さいことから痛みが少なく、動物の回復が早い。
デメリット
1. 高度な技術が必要となります。
2. 熟練した麻酔管理が必要となります。
3. 麻酔時間が長くなる傾向にあります。
症例
![]() 青い血管が肝臓への血流を妨げている異常血管(ネオ・ベッツVRセンターにてCT撮影) |
![]() 胆肝臓への血流が殆ど見られない(ネオ・ベッツVRセンターCアームにて撮影) |
![]() 手術後、肝臓への血流が再開した様子 |
![]() 異常なシャント血管をはく離している様子(ネオ・ベッツVRセンター協力のもと行われました) |
![]() 異常血管を仮結紮している様子 |
![]() 小さな傷で手術ができて良かったね |
肝臓や腎臓、膵臓などの血液検査の結果、「原因が分かりません」とそのままにしておられませんか?
正確な診断治療を行うには肝臓や腎臓、膵臓や腸管の組織をとって病理検査を行う必要があります。
従来であれば、肝臓や膵臓、腸管の生検をするにはお腹を大きく切開しなければなりませんでしたが、小さな傷が2~3箇所あれば安全に行うことができ、避妊手術や他の手術と同時に、傷を広げることなく行うことも出来ます。
小さな傷で負担を少なくすることは、特に高齢動物や病気で体が弱っている動物たちにとっては極めて重要です。
手術時間は15~20分程度です。
傷の大きさ
3-5mmの小さな傷が2~3つで行うことができます。
メリット
1. 傷が小さいことから痛みが少なく、動物の回復が早い。
2. 手術時に胸やお腹の中を鮮明な画像で見ながら検査ができる。
3. 止血の確認が確実に行えることから開放手術より安全性が高い。
4. 大きくお腹を切らなければ出来なかった他の手術を小さな傷で
同時に行うことが出来る。
デメリット
1. 高度な技術が必要となります。
2. 熟練した麻酔管理が必要となります。
3. 麻酔時間が長くなる傾向にあります。
症例
![]() 肝硬変1 |
![]() 肝硬変2 |
![]() 肝臓癌 |
![]() 胆管系の観察 |
![]() 猫の肝のう胞 |
![]() 肛門嚢腺癌の肝転移 |
![]() 左腎の前曲への生検を行っている様子 |
![]() 採取された腎組織 |
![]() 生検後の出血の様子(腹腔鏡であれば積極的に止血処置ができる) |
![]() リンパ管拡張症 |
![]() 化膿性壊死性腸炎 |
![]() 腸生検を行った様子 |
![]() 腸閉塞の処置をしている様子 |
![]() 異常血管を仮結紮している様子 |
![]() 盲腸の平滑筋肉腫 |
![]() 副腎が腫大している様子(2次的な腫大) |
![]() 副腎の腫大している様子 |
![]() 膵生検を行っている様子 |
![]() 食道平滑筋肉腫 |
![]() 中皮腫 |
![]() 猫の肺膿瘍 |
フェレット、ウサギ、トリ、カメなどにも腹腔鏡手術が適応されることもあります。
症例
![]() フェレットの肝臓に認められた腫瘍 |
![]() フェレットの副腎摘出術を行っている様子 |
![]() 手術前の痩せてしまっているフェレット |
![]() 手術後の元気になったフェレット |
![]() カメに麻酔を施している様子(膀胱結石摘出術)クウ動物病院のDr.田中と |
![]() カメの膀胱を糸で牽引している様子 |
![]() カメ腹腔内(肝臓) |
犬や猫には”乳び”と呼ばれるリンパ液の流れに障害が起こり、胸の中に乳び液が溜まってしまう病気があります。それに対して、外科的な治療が行われますが、従来の開胸、開腹手術を行うと、数カ所にかなり大きな切開を必要とすることから、動物に与えるダメージは計り知れません。それに対して、胸腔鏡や腹腔鏡下での手術は、2,3,5,10mmといった小さな傷で手術を行うことが可能であり、拡大された鮮明な視野で胸管処理を行うことができます。手術時間は120分です。
傷の大きさ
2,3,5,10mmの小さな傷が、10~12か所
メリット
1. 傷が小さいことから痛みが少なく、動物の回復が早い。
2. 小さな傷でありながら拡大された鮮明な視野で手術を行うことができる。
デメリット
1. 熟練した技術が必要となります。
症例
![]() 胸腔鏡下で胸管を露出させている様子 |
![]() 胸腔鏡下で胸管をヘモクリップで閉鎖した様子 |
![]() 反対側からもう一本の胸管を露出している様子 |
![]() 腹腔鏡下で腹部乳び槽の切開を行っている様子 |
![]() 胸腔鏡下心膜切除を行っている様子 |
特に胸の深い大型犬には、胃捻転という恐ろしい病気があり、突然死の代表的な原因の一つになっています。 その病気の予防として、胃と腹壁を固定する外科手術が選択されます。 従来であれば、お腹を大きく切開して行うか、腹腔鏡手術においても6cmの切開を必要とします。 当センターでは、2mm、2~5mm、5~10mmの3つの小さな傷で全て体内での手術を行います。
傷の大きさ
2mm、2~5mm、5~10mmの3つの小さな傷で手術を行うことができます。
メリット
1. 傷が小さいことから痛みが少なく、動物の回復が早い。
デメリット
症例
![]() 胃の固定部位を決定 |
![]() 腹壁と胃の漿膜筋層を切開 |
![]() 2mmの鉗子て-胃と腹壁を縫合していく |
![]() 同じく全周を縫合していく |
![]() 胃と腹壁を縫合固定した様子 |
![]() 切開することなく胃固定術を終了 |